男性型脱毛症・女性型脱毛症による抜け毛(AGA)

hair loss of forehead

男性型脱毛症と女性型脱毛症

AGAとは、簡単に言うと「毛周期の中の成長期が短くなって短期間で脱毛し、休止期の状態の毛包が長くなる」ことを指します。

AGAを発症すると髪の毛が細くなるため、抜けていなくても頭皮の地肌が目立つようになります。

 

AGAは男性でも女性でも発症する可能性があり、それぞれ「男性型脱毛症」「女性型脱毛症」と呼ばれています。

 

発症率

男性の発症率は50代が最も多く、次いで40代が多いですが、20代・30代でも20%程度の人が発症しているとされています。

 

一方、女性の発症率は更年期(月経の有無によって変わりますが一般的に45~55歳)が最も多くなります。

 

原因

ホルモンによる影響

毛根部には毛母細胞の増殖を促進させる働きのある毛乳頭細胞があり、その働きによって毛母細胞は細胞分裂を繰り返し、髪の毛を成長させています。

hair root

男性の場合、ホルモンの影響による脱毛は以下のようなメカニズムで起こります。

  1. 男性ホルモンであるテストステロンが毛乳頭細胞に運ばれる
  2. 毛乳頭細胞に運ばれたテストステロンは、酵素(Ⅱ型5α)の働きによってより活性の強いジヒドロテストステロン(DHT)になる
  3. 変換されたジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの影響を受けやすい毛乳頭細胞の受容体と結合する
  4. ジヒドロテストステロンが結合した毛乳頭細胞は、髪の毛を軟化させ毛母細胞の増殖を抑える
  5. 毛母細胞の増殖を抑えるサイトカインによって、毛母細胞の細胞分裂は減り、髪の毛は長く太く成長する前に抜けてしまう

 

女性の場合は、男性のようなメカニズムではありませんが、女性ホルモンの低下により発症することは知られています。

脱毛の仕方も局所性脱毛ではなく、頭部全体的に脱毛するびまん性脱毛になります。

 

遺伝による影響

AGA発症にかかわる遺伝子はX染色体上にあるため、女性は両親の影響を受けますが、男性は母親の影響しか受けません

父親がAGAの遺伝子を持っている場合
agaの遺伝①
agaの遺伝②
aga遺伝③

父親がAGAの遺伝子を持っていない場合
aga遺伝④
aga遺伝⑥
aga遺伝⑤

遺伝子を持っていると発症する可能性があるというだけで、必ずしも発症するとは限りません。

その他の影響

ホルモンや遺伝子による影響以外にも、・喫煙・生活習慣の乱れ・血流不足などもAGAの要因になるとも言われています。

喫煙・生活習慣の乱れ・血流不足は、AGAだけではなく一般的な脱毛の原因や病気の原因にもなるので、普段から規則正しい生活を心がけるのがベストです。

 

AGAの薬は飲んでもいい?

AGAの薬を服用すると短期間で産毛が生えてきますが、服用をやめると薬で生えた毛はすべて抜けてしまいます。

ですので、一生薬を服用もしくは塗布し続けるのでしたら「薬」という選択も良いかもしれません。

 

ですが、薬で生えてきた産毛は、残念ながら太く長くしっかりとした毛に成長することはほぼありません。

薬で強制的に血流を改善しても、髪の毛の成長に必要な栄養がしっかりと摂れていなければ結局は同じことなのです。

 

そして、AGAの薬は副作用が出やすいため、最初は何ともなくてもいずれ体調を壊す可能性は高いと思われます。

 当院へ来られているお客様の中にも、「以前は薬を服用していたが副作用がきつくて止めた」という方は非常に多くいらっしゃいます。

 

一般的に処方される「ミノキシジル」の代表的な副作用として

  • 男性機能が低下する
  • 頭皮が荒れる(頭皮に塗布するタイプ)
  • 体毛が濃くなる
  • 体調不良が続く
  • 体が怠くなる

などがあります。

特に妊娠中の女性の場合は、服用すると胎児の生殖器に悪影響を及ぼすため禁忌となっています。

 

これらのこと考えると、薬を服用するよりも頭皮の血流を改善することが、体にとってもこの先のことを考えてもベストな方法だと言えます。